酒の“アル中”とウォーキングの“アル中”

一般にアル中というと、アルコール中毒を指しています。もう一つのアル中は歩け歩け中毒の略で、歩きたくて全国を回っているウォーカーのことを指しています。ランニングハイもしくはランナーズハイは走り続けていると気分が高揚してきて、まるで薬物でハイになっているような状態になることを指しています。これは興奮物質のアドレナリンが多く分泌されているからですが、アドレナリンには脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪を分解するために必要で、アドレナリンが多く分泌されるほど多くの脂肪酸が血液中に放出されて、これがエネルギー源となっていきます。走り続けるためのエネルギーを造り続けるためには、アドレナリンを多く分泌させて、ハイになっていくのは当然のことなのです。
ウォーキングではランニングに比べるとハイテンションの度合いは低くても、歩き続けるほどアドレナリンは分泌され続けます。全国で開催されているウォーキング大会は長く歩くことが目標で参加しているアル中の人が多くて、最大で50kmのコースを3日にわたって3種類のコースを歩く大会もあります。合計で150kmですが、これを達成した人は「150kmが稼げた」と言っています。ウォーカーの目標は地球1週分の4万kmで、これを達成すると表彰される制度が日本ウオーキング協会にはあります。
健康的に歩くためには節制をして、アルコール断ちをして望むのがよいと思うのですが、全国から同じ目的、目標のウォーカーが集うウォーキング大会となると、どうしても酒がつきものの交流となりがちです。身体を動かす前の日に、お酒を飲むのはいけないというつもりはないのですが、日本酒換算で1合を飲んだときには完全に分解されるまでに男性で2時間、女性で3時間はかかります。2合を飲んだだけなら寝ている間に分解されて、影響が出ない状態で歩くことができる計算となります。このことを知っているだけでも飲む回数を増やしても、飲む量を増やさないことが必要だというのがわかるはずです。