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サプリ概論155 L‐カルニチン製品は含有量の差が大きい
日本人の平均的な食生活から1日のL‐カルニチンの摂取量は80mgと推定されています。L‐カルニチンは肉類に多く含まれ、中でも羊肉は多くなっています。100gあたりで比較すると、マトン肉は208mg、ラム肉は80mg、牛肉(ヒレ肉)は60mg、豚肉は35mgとなっています。牛肉を100g食べたとしても平均的な80mgにしかならないということです。 L‐カルニチンは1日に200mgは必要とされていま
あくまでも噂話1「あえて噂話という、その心は?」
本当のことをズバリと言うと波風が立つようなときには、表現をごまかして「〜とされる」「〜と言われる」といった言葉が使われます。最大であることは明らかなのに、その表現をすると文句をつけてくる人がいることが考えられるときには「最大級」という表現で、ぼやかしながらも実は最大なのだよ、と暗に伝えるのは常套手段です。 「こんなことを言うと誤解を招くかもしれませんが」と前置きをしておけば、誤解を招くどころで済
脳の健康寿命64 エネルギー代謝が神経伝達を高める
脳の働きを正常に保つには、脳細胞で作り出されるエネルギー物質のATPが必要です。ATPはアデノシン三リン酸(Adenosine tri-phosphate)の略で、アデノシンとリン酸3個が結びついたものです。アデノシンはアデニン(塩基性物質)とリボース(単糖)から構成されるヌクレオシド(塩基と糖が結合した化合物)です。 ATPは、細胞のミトコンドリアの中のTCA回路でエネルギー源(ブドウ糖、脂肪
発達障害サポーター43 神経発達症の呼び名への考え
発達障害は、神経発達症候群とも呼ばれます。 アメリカ精神医学会は発行するDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)「精神疾患の診断・統計マニュアル」には、精神疾患の分類と診断基準が示されています。DSMは精神疾患の診療・診断基準の一つとして世界中の医療機関で用いられているもので、2013年のDSM–5で新たに神経発達症群(
サプリ概論154 肉を食べればL‐カルニチン不足にならないのか
細胞のミトコンドリアの中に脂肪酸を取り込む働きをするL‐カルニチンは肉類に多く含まれています。中でも羊肉、牛肉に多く含まれているので、肉を多く食べていれば体内のL‐カルニチンの量が増えて、エネルギー代謝も高まるように思われるかもしれません。しかし、これらの肉を多く食べている人であっても、年齢を重ねるにつれて脂肪酸の取り込みの量が減り、代謝が低下していきます。 その理由の一つは、体内のL‐カルニチ
Medical Diet79 ピンク筋を増やすスクワット
筋肉は基礎代謝のうち30〜35%のエネルギーを消費しているので、筋肉量が多いほど代謝が高まるということで、筋肉トレーニングに取り組む、もしくは取り込もうとする人は多いはずです。もちろん、筋肉トレーニングは、しないよりもしたほうがよいわけですが、筋肉が増えれば脂肪の代謝が高まると単純に考えることはできません。 筋肉は白筋と赤筋に大きく分けられます。白筋は瞬発力の筋肉で、強い負荷がかかる運動で強化(
認定講習の諺もじり7「信じるものは掬われる」その1
一生懸命に学ぶことは尊重すべきことで、その知識はいつまでも活かしてほしいとは思うのですが、学んだ情報が古くなり、しかも間違いとされるほどに古くなってしまったら、それは更新する必要があります。しかし、学んだ人に最新の情報が届かなかったら、更新するどころか、情報が古くなっていることにも気づかず、間違い情報を引きずってしまうことになります。 さらに困ったことは、学んだ人が教える立場になっていて、古いま
発達栄養5 発達のための食べ方指導
発達のためには、運動、生活リズム改善、睡眠、休養などが実施されますが、これらと並んで食事と栄養も重要となります。発達障害に限らず、子どもの脳と身体の成長のためには、必要な栄養素を確保することが第一条件となっています。しかし、栄養バランスの取れた料理を出して、それをすべて食べていれば健康が保たれて、成長に必要な栄養素が吸収されて、体内に蓄積されるわけではありません。 1日に必要な栄養素が含まれてい
サプリ概論153 羊肉はL‐カルニチンが多いから太らないのか
「羊肉は太らない」と言われて、人気になったことがあります。それは羊肉に多く含まれているL‐カルニチンの量が関係していました。L‐カルニチンは細胞のミトコンドリアの膜を脂肪酸が通過するときに必要となるため、エネルギー代謝を高めて、そのために太りにくいというのが人気の理由でした。 これは事実であっても、羊肉には脂肪が多く含まれていて、食べ過ぎればエネルギー源の摂りすぎになってしまいます。ミトコンドリ
サプリ概論152 L‐カルニチンは効果がないと言われた時代があった
L‐カルニチンが医薬品成分だけでなく食品成分としても使用することができるようになったのは2002年のことです。サプリメントの素材にも使われ、代謝促進の効果が期待されたときに、水を差すような発表がありました。それはL‐カルニチンをサプリメントとして使っても、脂肪のエネルギー代謝が高まらないという海外の研究報告でした。サプリメントや健康食品に否定的な医師などが、これを示して役に立たないというようなこと