最新情報

“稼ぐ力”が自治体から求められる

公的な事業や公共団体の仕事を受けるとき、以前だったら「損だけはしないようにしてください」と、本来なら仕事を出す上の立場の役所や団体から言われたものでした。公(おおやけ)の金、つまり税金を使うのだから、「儲けろとは言わないが、少なくとも損だけはしないようにしてくれ」という意向を伝えられても、実際に損をしないことだけに気を使っていれば“成功”と言われた時代があったものです。 ところが、今では、損をし


腕を横に振って歩く原因

歩くときには腕を前後に大きく振って、というのは西洋式の歩行法で、日本人には合っていない歩行法だと考える人もいます。長い江戸時代が終わり、明治時代になって持ち込まれた軍隊式の歩き方である、とうようなことを言う人もいます。私たちは日本人の体質を研究していて、体質に合った生活法による健康づくりを提案しています。それもあって、日本人に適した歩き方について聞かれることもあります。 以前の日本人は腕を大きく


多彩な歩き方ができるポールのパッド

ノルディックスタイルのウォーキングは、ポールを後方に突いて勢いよく前進するノルディックウォーキングと、ポールを前方に突いて身体を安定させて歩くポールウォーキングに大きく分けられています。ノルディックウォーキングをアクティブ、ポールウォーキングをディフェンシブと呼ぶこともあります。 ノルディックウォーキングは北欧でクロスカントリースキーの夏場のトレーニングから始まったこともあり、スポーツ感覚で身体


今さら正しい足裏の使い方の話

ウォーキングの基本は足の裏に路面を感じながら歩くことです。足の構造を見ると、かかとが厚くなっているのは、かかとから着地する歩き方を歩行の歴史が始まってから続けてきたことによる進化です。クッション役のかかとから着地した後は足の側面を路面に徐々に触れさせながら体重を前方向に移動していって、もう一つのクッションの踏みつけ部が当たった後、指へと体重を移し、そして第一趾(親指)の腹で蹴り出す感じで足裏を浮か


「転ばぬ先」の先の“杖”

転ばぬ先の杖は、失敗しないように、万が一に備えて充分に準備しておくことを指したことわざです。まだまだ杖などなくても普通に歩けるはずなのに、杖をついて歩けと言われても、実際には杖を使う人はいないでしょう。杖をついて歩くことで、杖なしで不安定なまま歩くよりも筋肉が刺激され、歩く能力を低下させないことはできます。そう言われても、積極的に杖を使おうとは思わないでしょう。それくらい杖をつきながら歩くことは“


介護保険制度改革で注目される歩行指導

介護保険制度が平成29年4月に改正され、要支援と要介護の負担が変わりました。負担というのは金額の負担の意味と、心身への負担の意味がありますが、今回の改正では両方の負担が変わりました。要介護は専門家の介護福祉士の仕事であることに変わりはないのですが、要支援は1と2の段階があり、これは以前には介護福祉士だけの仕事でした。急激な高齢化社会の進展を背景に、介護を受ける人に対して介護する側の介護福祉士が足り


腸を動かすことを意識して歩く必要があるのか

腰を大きく左右に振りながらウォーキングをしている人を見かけました。65歳前後と見える男女2人組でした。どうして、そんな歩き方をしているのかと聞いて見たら、「腰を動かして歩くと腸の調子がよくなるから」との返事。ここのところウォーキングと腸の状態に関する健康雑誌の記事を見かけていたので、それを実践している人たちだったわけですが、私たちの理解とは少し違っていました。 歩くと腰が動いて腸が揺り動かされる


老老介護の割合を減らす秘策とは

高齢者は介護をされる側という時代は、高齢化社会から“高齢社会”へと移り、超高齢社会とも呼ばれる時代となって、今では高齢者は介護もする側、介護をする側になりました。これを老人が老人を介護するということから「老老介護」という名前がつけられました。この老老介護は都市部で大きく増えています。都市部は結婚をしないまま高齢者になった人、結婚はしたが子供がいない高齢者世帯の割合が非常に高くなっています。高齢者の


歩数だけが理想的な歩行の評価法なのか

テレビ番組で歩行の話を取り上げているときにコメンテーターが「万歩計」と言ったところ、司会からストップをかけるような発言がありました。「万歩計」というのは特定の会社の商標で、一般には「歩数計」と表示されています。化学調味料、うま味調味料を「味の素」とは呼ばないようにしているのと同じことです。 万歩計という表現が出てきたのは、番組のテーマが1日に1万歩ではなく8000歩が健康によい、ということだった


歩くことは誰から習ったのだろうか

歩いただけで両親や祖父母に誉められた幼少のときを除くと、歩くことを誉められたのは、いつであった、なかなか思い出すことができない、という人は多いと思います。骨折や骨粗鬆症になって、このまま歩けなくなるかもしれないと覚悟した人がリハビリテーションに取り組んで、なんとか歩けるようになったときに介護士や家族から誉められることはあるかもしれませんが、こういう誉められ方は、あまり望ましいことではありません。