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あくまでも噂話64「食事療法と運動療法があっての医薬品」
生活習慣病の予防にも改善にも、まずは優先されるのは食事と運動で、治療レベルまで進んだ人には栄養指導と運動指導が行われます。いわゆる食事療法と運動療法ですが、これは医師から重要性が説明され、積極的に行うように言われたとしても、具体的な方法までは言われないのが普通のことです。 というのは、医師が食事指導をしても運動指導をしても保険点数がつかないからです。食事指導で保険点数がつくのは管理栄養士だけで、
エネルギー代謝21 EPOC効果のエネルギー消費
最大酸素摂取量の60%を継続する有酸素運動をすることで、運動後の脂肪代謝を高めることができるEPOC(excess post-exercise oxygen consumption)効果は、運動後過剰酸素消費量と訳されています。最大酸素摂取量は全力で運動をしたときに吸い込むことができる酸素量のことで、運動強度を示すためにも使われています。 人間の身体は酸素を多く取り込む運動を続けて酸素不足になっ
脳の健康寿命100 高血圧の診断基準
正常血圧の範囲は、収縮期が130mmHg未満、かつ拡張期が85mmHg未満となっています。高血圧は、収縮期が140mmHg以上、または拡張期が90mmHg以上で、その程度によってⅠ度高血圧、Ⅱ度高血圧、Ⅲ度高血圧に分類されています。 正常血圧と高血圧の間は、正常高値血圧と分類されています。現在は高血圧とはいえない状態であるものの、将来は高血圧になる確率が高いグループであり、高血圧予備群とも呼ばれ
発達栄養53 腸内環境の改善素材2
腸内環境を整えるための、もう一つの方法として注目されているのはプレバイオティクスです。これは腸内細菌と同様の働きをする乳酸菌などのプロバイオティクスが働きやすい環境に整える役目をするもので、糖質や乳製品などの善玉菌の栄養源(エサ)や食物繊維などが、それに当たります。 ビフィズス菌を増やすものとして知られているのはオリゴ糖で、単糖(ブドウ糖や果糖)が2〜10個つながった構造となっています。オリゴ糖
サプリ概論205 機能性表示食品が表示できる内容
機能性表示食品は、有効性が商品で人間を対象とした試験で確認されたもののほかに、成分の有効性が論文に掲載されていることを根拠にして表示の届出ができるものです。許可ではなくて、あくまで届け出ですが、その際には根拠などの確認が行われています。 機能性表示食品は、販売者の責任において保健の目的が期待できる旨の表示をすることができるものですが、健康の維持・増進に役立つことを表現するものであり、医薬品と誤認
Medical Diet126 甘いものを食べてダイエット
ダイエットの最大の敵は甘いものだと言われることがあります。食事量を減らすことは我慢できても、甘いものだけは我慢ができないという人は少なくありません。甘いものを我慢すると、それがストレスになって食べすぎてしまう、途中でダイエットを諦めてしまうというのはダイエットに挫折した人の多くが口にすることです。 できることなら甘いものを食べてダイエットをしたいという思いは、メディカルダイエット講習でも聞いてい
あくまでも噂話63「高齢者は歩くだけで筋肉を増やせる」
ウォーキングは代表的な有酸素運動ですが、無酸素運動にすることもできます。歩く速度を早めればよいのですが、早歩き程度では普通は無酸素運動にはなりません。ところが、高齢者では日常的な運動不足・活動不足の影響もあって、走らないけれど急ぎ足で歩いているという速度でも無酸素運動と同じ負荷がかかって、筋肉量を増やしていくことができます。 ここでいう筋肉量というのは2種類の筋肉で、赤筋と白筋のことです。赤筋は
エネルギー代謝20 脂肪代謝のEPOC効果
運動をし慣れていない人は、同じだけの運動をしても、運動をし慣れている人に比べると酸素を取り込んで有効活用するエネルギー代謝の力が低くなっています。また、運動をし慣れた人に比べると、同じ負荷の運動であっても最大酸素摂取量が高まりにくくなっています。 最大酸素摂取量というのは、1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量で、一般には全力で運動をしたときの酸素量を指しています。 最大酸素摂取
脳の健康寿命99 高血圧は最も発症率が高い
高血圧の人は、生活習慣病の中では最も発症率が高い疾患となっています。国民健康・栄養調査(2006年)によると20歳以上では約3970万人と推定され、正常高値血圧者の約1520万人と合わせると、約5490万人となっています。これは20歳以上の国民(1億400万人)の約52.8%にも及んでいます。 また、2010年の調査結果では、30歳以上の高血圧患者(高血圧症有病者)は男性の60.0%、女性の44
発達栄養52 腸内環境の改善素材1
腸内細菌の善玉菌を増やす方法は、大きく二つの方法が考えられています。一つは、善玉菌と同じ働きをする菌を摂ることで、これはプロバイオティクスと呼ばれています。腸の機能を高める食べ物としては、ヨーグルトや発酵食品に含まれている乳酸菌が代表としてあげられます。乳酸菌は糖を分解して乳酸を作り出す菌ですが、腸内には乳酸菌は多くは棲みついていません。腸内に棲みつき、増殖をするためには酢酸も必要であり、乳酸と酢