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健康情報共有21 塩分は高血圧の原因とは限らない

塩分で血圧が上昇するのは、食塩感受性が影響しています。人間の身体にはナトリウム濃度を一定に保つ仕組みがあり、ナトリウム濃度が高くなると腎臓から排出して、逆にナトリウム濃度が低くなると腎臓でナトリウムが再吸収されます。 食塩感受性がある人はナトリウムの排出の機能が障害を受けやすくなっています。食塩感受性が高いと、塩分を多く摂ることによって腎臓の交感神経の働きが促進されて、ナトリウムの排出が抑制


発達栄養75 精神的なショックで牛乳が飲めないこともある

牛乳が苦手だという子どもは、色や味、喉の通り方といった五感に関する理由で飲めない、飲めなくなったということがありますが、そのほかにも五感とは違った感覚のために飲めないことがあります。その中で多いのは、牛が怖いから、臭いで嫌な思い出があるからということです。 この記憶のために、感覚過敏の反応が強く現れることもあります。牛の絵を見ただけで嫌な思い出が蘇り、牛乳は飲めてもパッケージに牛が描かれてい


健康・火の用心5 未病は自力で改善できる状態

“未病”というのは健康と病気の間にある発病に至らない軽い症状がある状態で、日本未病学会では「自覚症状はないが検査で異常がみられる西洋医学的未病と、自覚症状があるが検査では異常がない東洋医学的未病」との分類を示しています。 東京にいたときの主治医が慶応義塾大学の教授を務めた循環器医で、日本未病学会の2代目の理事長であったことから学会の支援もして、随分と勉強をさせてもらいました。また、その先生は


講習NAVI23 サポート会社の存在

サプリメント・健康食品の販売に関わる法規制の専門家の一角を占めて講習をしていたことから、ネットワークビジネスのメンバーとして誘われることはありませんでした。中には、「それだけの健康知識があるのだから勿体ない」と発言する知人もいましたが、私にアプローチしてくるのは、ネットワークビジネスの会社からの法律講習やコンサルタントの依頼でした。 アメリカのDSA(Direct Selling Assoc


サプリ概論227 ターミナリアベリリカを使用した機能性表示食品

ターミナリアベリリカは、インドなどの南アジアなどの熱帯地域に原生しているシクンシ科の落葉樹で、その果実には没食子酸が含まれています。ターミナリアベリリカ由来没食子酸には、食事で摂取する糖や脂肪の吸収を抑えて、食後の血糖値や中性脂肪値の上昇を抑える機能があることが報告されています。 その機能を消費者庁に届け出て、機能性表示食品と認められた製品があります。どのような機能があるのかというと、食後の


脂肪代謝促進研究19 中性脂肪値に作用するL‐カルニチン

脂肪代謝促進作用がある素材は、血液中に放出された脂肪酸を筋肉細胞に取り込み、エネルギー代謝を促進する作用があるものです。 脂肪代謝促進作用のある素材として特に注目されるのはL‐カルニチンです。 L‐カルニチンは必須アミノ酸のリシンとメチオニンから合成されるアミノ酸の一種で、体内に蓄積されています。L‐カルニチンは肝臓で少量が合成されているものの、20歳代前半をピークに減少して、次第に不


脂肪代謝促進研究14 L‐カルニチン研究の第一人者

L‐カルニチンは、2002年に医薬品成分から食品成分として許可された代謝促進の化合物です。L‐カルニチンと聞くと、ダイエットサプリメントの成分として一般には知られているようですが、医薬品成分としてはカルニチン欠乏症の治療に使われていました。それが厚生労働省の食薬区分の変更で、食品成分としても使えるようになりました。 カルニチン欠乏症は、L‐カルニチンの材料となる必須アミノ酸(リシン、メチオニ


健康情報共有20 生活習慣病は医師だけでは治せない

生活習慣病は初期段階では、医師の力を借りながらも自分の力で改善できるという話を前回しました。そして、糖尿病を例に、食事療法、運動療法を前提として医薬品(血糖降下剤)が使われるのが治療の大原則なのに、食事指導も運動指導もなしに初めから医薬品を使う医師についても言及しました。 そのような医師は珍しい存在ではなくて、今の日本の医療制度では当たり前のように行われていることです。医師の医療行為は保険点


Medical Diet148 ダイエットにはハラミ

焼き肉は食べたいけれど太りたくない、という人が好んで食べたがるのは“ハラミ”です。ハラミ肉が大好きなのでハラミちゃんと名付けたストリート・ピアニストがいますが、ハラミは、以前は焼き肉のメニューというよりもホルモン扱いでした。 どの部位かというと牛の横隔膜の筋肉部分です。筋肉だけあって、見た目は赤身で、しかも食感も赤身に近くなっています。たんぱく質も多くて、適度な柔らかさと歯ごたえがあって、癖


健康・火の用心4 健康スポーツによる“健康・火の用心”

日本健康スポーツ連盟が公益法人改革で財団法人から公益財団法人になる移行期に、私は理事を務めていました。臨床栄養出身ということもあって、健康スポーツの健康の面での栄養摂取の講習を担当していました。 日本健康スポーツ連盟という法人名から、健康のためのスポーツ、スポーツによる健康の活動という印象が抱かれがちです。健康スポーツの英語表記は一般には「healthy sport」となりますが、連盟は「h