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毛髪の科学38 毛髪再生医療の実用化に向けた臨床研究
脱毛症の中でも男女の壮年性脱毛症は発症頻度が高く、これを気にかける人も急増しているものの、医学的には重篤な疾患とはされていません。そのためにQOL(Quality of Life=生活の質)を向上させることを目指した治療法の開発が期待されています。 壮年性脱毛症の治療法としては、国内では複数の薬剤が用いられていますが、継続的な服用が必要であることや、女性の場合には薬剤の選択肢が限られているこ
毛髪の科学37 白髪に関して言われていることを科学する
白髪や薄毛については、まるで都市伝説と思われるようなことが言い伝えられています。その代表的なものが「白髪はハゲない」というものです。白髪になればハゲることはないという意見がある一方で、白髪でも白髪でなくてもハゲる人はハゲるという意見もあって、白髪が増えてきた人に不安を与える結果となっています。 この疑問を解決するには、白髪と薄毛のメカニズムを見ることが近道です。白髪は毛母細胞の色素形成細胞の
毛髪の科学36 「白髪を染めると白髪が増える」は本当か
白髪が目立ってきたときには、二つの選択が迫られます。白髪を隠さずに何もしないか、それとも白髪を染めて黒くするか、です。白髪になるとハゲないと言われる一方で、部分的に白髪があると毛髪が薄く見えるということもあって、白髪のままでいるのは薄毛傾向にある人にとっては勇気が必要なことかもしれません。 とはいっても、白髪を染めることについては、抵抗感がある人は少なくありません。というのは、「白髪を染める
毛髪の科学35 生まれつきの毛髪と諦めることはない
生まれつき毛髪の量が少なく、縮れ毛である先天性乏毛症・縮毛症という疾患があります。薄毛は個性であり、縮毛も個性とみることができますが、先天性乏毛症・縮毛症は疾患であるので、本来なら治療の対象になるものです。 しかし、先天性乏毛症・縮毛症は治療の対象とはされず、対症療法の一環として、かつらの使用がすすめられるか、個性として受け入れるしかないという程度でした。 先天性乏毛症・縮毛症の国内の
毛髪の科学34 円形脱毛症の治療に光明
円形脱毛症は、通常の脱毛による薄毛とは違って、円形や楕円形の脱毛斑と呼ばれる脱毛部分が突然起こるものです。俗に「10円ハゲ」と呼ばれる10円玉くらいの脱毛が起こることが知られていますが、それ以上の広範囲に広がるものもあります。 再び発毛が起こる場合もあれば、完全に脱毛して元には戻らないものまで、さまざまなタイプが確認されています。 全人口の1〜2%に発症されるとされますが、円形脱毛症は
毛髪の科学33 薄毛の人は免疫が高いのか
「薄毛の人は精力が強い」と昔から言われてきました。薄毛を気にする人への励ましの言葉だと言われることもあります。薄毛の人は実年齢よりも年齢が上に見られがちで、そのイメージの年齢に比べたら精力が強いというのが一般に言われていることです。 別の考え方もあって、精力が強いということは男性ホルモンが多くて、これが薄毛に関係しているということです。男性ホルモンは男性の場合は睾丸や副腎で作られています。
毛髪の科学32 夏の日差しは毛髪も日焼けする
8月20日は「頭髪の日」という記念日です。 8月20日といえばお盆も過ぎて、暑さが和らいでくる時期ではあるものの、まだ紫外線は強く、毛髪が強い影響を受けている時期でもあります。夏場に毛髪が乾燥したり、舳先がパサつくのは気温のせいだけでなく、一番の要因は紫外線です。 紫外線のケアというと日焼け止めに使われているサンスクリーン剤は、日焼けや皮膚の光老化を防止するための紫外線散乱剤、紫外線吸
毛髪の科学31 酸化よりも糖化が恐ろしい
薄毛は頭皮の皮脂が酸化して毛穴を詰まらせることが原因だという考えがあって、皮脂を増やさないこと、皮脂が詰まらないようにシャンプーとマッサージを欠かさないことがあげられています。 皮脂の酸化が毛髪に影響を与えるのは間違いないことではあっても、それと同じように注意しなければならないのが糖化です。 糖化というのは、食事で摂取した糖質(炭水化物)に含まれているブドウ糖が体内のタンパク質と結合す
11月26日の記念日
「鉄分の日」ゼリア新薬が鉄分の重要性と不足の問題点を啓発するために、いい(11)と鉄分の元素番号26にちなんで制定。 「いい風呂の日」日本浴用剤工業会が、いい(11)風呂(26)の語呂合わせで制定。 「ポリフェノールの日」日本ポリフェノール学会が、いい(11)ポリフェ(2)ノール(6)の語呂合わせで制定。 「いいプルーンの日」カリフォルニア プルーン協会が毎月26日がプルーンの日
日々修行88 栄養学の変遷
日本の栄養学は、明治時代から始まっていたものの、国民の健康づくりの基本として据えられたのは終戦後のことです。それは終戦から2年後の1947年(昭和22年)からとされています。 戦後の日本は極端な食糧難の状態でした。その原因としては戦争の徴用と軍需産業への動員のために農村労働力が減少したこと、農機具や肥料が欠乏状態だったことに加えて、異常気象によって米の生産量が平年の半分以下という不作であった