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熱中症は水分不足だけが原因か

熱中症が心配される夏季には、それを防ぐために、室温が上がりすぎないように、暑い時間帯には外出しないように注意するとともに、水分の補給が強く言われます。暑い季節は、皮膚からの水分の蒸発が激しくなり、普通に水分を取っているつもりでも水分不足になりがちです。 体内の70%ほどは水分だと言われますが、それは若いときの話で、年齢を重ねると60%ほどに、高齢になると50%台にもなります。それだけ体内の水分が


「甘いものは食事の一環として食べる」は本当か

健康を扱ったバラエティー番組で、八丁味噌は血糖値の上昇を抑えるので、愛知県には糖尿病が少ないと紹介していました。愛知県民に糖尿病が少ないのは事実で、愛知県民といえば赤味噌の代表である岡崎の八丁味噌の消費量が多いので、これを結びつけるのはテレビ番組の手法としては当然のことといえます。 愛知県の食事といえば、八丁味噌を使った味噌カツにきしめん、エビフライに手羽先、ういろうと、なんとなく腹が膨れる料理


下手は何と読むのか

「上手」はじょうず、うわてというように別の読み方があるということを以前に紹介しましたが、他にも同じようなものはあるか、ということがサイトの問い合わせにありました。あまり健康とは関係のない話になりますが、この機会に上手とは逆の意味になる「下手」について書いていきます。 上手(じょうず)に対する下手は「へた」と読みます。これは、物事に巧みでないこと、まずいこと、不器用なこと、なまじっかなこと、いいか


細胞の糖化は糖尿病の薬で進むのか

糖化は糖質の摂りすぎによって細胞が老化していくことで、糖化すると細胞が褐色になっていくことから健康の面からだけでなく、美容の面でも注目されています。糖質の摂りすぎによって細胞の中にブドウ糖が多く蓄積されていくことが原因なので、糖質制限は効果があると考えている人も少なからずいます。それは正しいとしても、だからといって食事で糖質を摂らなければ健康になれるという主張には首を傾げる人も少なくありません。


老化は病気の最大の原因か

医薬品を使わずに生活習慣病を治そうとするのは大変なことです。まだ、検査数値が基準値を超えていない段階なら食事と運動で元の状態に戻すことはできるとしても、基準値を超えた期間が長くなれば長くなるほど戻りにくくなります。初期段階で医薬品を使うと、食事の改善や運動をしなくても基準値を下回ることはできます。だからといって医薬品だけに頼っていると、年齢を重ねるにつれて医薬品の効果が出にくくなります。 という


未病は健康と病気の間なのか

未病をテーマにした健康寿命延伸のプロジェクトに関わっていることから、メディア関係者から「未病の定義は」という質問が寄せられることが増えています。何度も同じことを答えるのが面倒だ、ということではなく、広く知ってほしいとの思いから、文章化してみました。 日本未病システム学会は“健康と病気の間を科学する”というキャッチフレーズを掲げています。それを普通に分類すると〔健康〕〔未病〕〔病気〕ということにな


代謝のためのミネラルの役割

人の身体の約95%は炭素、水素、酸素、窒素などの元素が結合した有機物で、残りの約5%の元素の無機質がミネラルとなっています。体内に必要な16種類のミネラルは必須ミネラルと呼ばれます。ミネラルのうち体内に比較的多い7種類(カルシウム、リン、カリウム、イオウ、ナトリウム、塩素、マグネシウム)は多量(主要)ミネラル、少量しか含まれない9種類(鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン、マンガン、モリブデン、クロム、コ


エネルギー代謝に必要なビタミン

代謝に必要な成分の三大ヒトケミカルについては繰り返し紹介しています。三大ヒトケミカルはα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10を指していますが、「それ以外のヒトケミカルは何があるのか」という質問をメディア関係者からよくされます。代謝に関わる成分としてはビタミンとミネラルがありますが、ここではビタミンについて代謝の仕組みとともに紹介します。 食品として摂取したデンプンは、消化酵素によって単糖


「健康な患者」のための運動処方

生活習慣病に関わる検査数値が基準値を超えると、必ずといっていいほど医師などの医療関係者から指導されるのは、それぞれの数値に直接的に関係する栄養成分の制限です。糖尿病なら血糖値を上昇させるのはブドウ糖なので糖質制限、脂質異常症から脂肪酸の量を減らすために脂質制限ということが基本となるわけですが、これは「健康な患者」でいてもらい、できることなら基準値以下にして患者でもなくなるための重要な手段の一つです


老老介護どころか二世代介護の時代

還暦といえば以前は赤いちゃんちゃんこを着て、赤子に還るという意味で、現役から引退、残りの人生を自由に、自分のために生きるという記念すべき60歳の祝いでした。しかし、今では体力的にも精神的にも実年齢(暦年齢)よりも若くなり、「高齢者は65歳からではなく75歳以上に」と日本老年学会と日本老年医学会が提言しています。 それだけ体力がついて、長生きできるようになったのはよいことであっても、健康で、元気で