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「転ばぬ先」の先の“杖”
転ばぬ先の杖は、失敗しないように、万が一に備えて充分に準備しておくことを指したことわざです。まだまだ杖などなくても普通に歩けるはずなのに、杖をついて歩けと言われても、実際には杖を使う人はいないでしょう。杖をついて歩くことで、杖なしで不安定なまま歩くよりも筋肉が刺激され、歩く能力を低下させないことはできます。そう言われても、積極的に杖を使おうとは思わないでしょう。それくらい杖をつきながら歩くことは“
介護保険制度改革で注目される歩行指導
介護保険制度が平成29年4月に改正され、要支援と要介護の負担が変わりました。負担というのは金額の負担の意味と、心身への負担の意味がありますが、今回の改正では両方の負担が変わりました。要介護は専門家の介護福祉士の仕事であることに変わりはないのですが、要支援は1と2の段階があり、これは以前には介護福祉士だけの仕事でした。急激な高齢化社会の進展を背景に、介護を受ける人に対して介護する側の介護福祉士が足り
腸を動かすことを意識して歩く必要があるのか
腰を大きく左右に振りながらウォーキングをしている人を見かけました。65歳前後と見える男女2人組でした。どうして、そんな歩き方をしているのかと聞いて見たら、「腰を動かして歩くと腸の調子がよくなるから」との返事。ここのところウォーキングと腸の状態に関する健康雑誌の記事を見かけていたので、それを実践している人たちだったわけですが、私たちの理解とは少し違っていました。 歩くと腰が動いて腸が揺り動かされる
老老介護の割合を減らす秘策とは
高齢者は介護をされる側という時代は、高齢化社会から“高齢社会”へと移り、超高齢社会とも呼ばれる時代となって、今では高齢者は介護もする側、介護をする側になりました。これを老人が老人を介護するということから「老老介護」という名前がつけられました。この老老介護は都市部で大きく増えています。都市部は結婚をしないまま高齢者になった人、結婚はしたが子供がいない高齢者世帯の割合が非常に高くなっています。高齢者の
歩数だけが理想的な歩行の評価法なのか
テレビ番組で歩行の話を取り上げているときにコメンテーターが「万歩計」と言ったところ、司会からストップをかけるような発言がありました。「万歩計」というのは特定の会社の商標で、一般には「歩数計」と表示されています。化学調味料、うま味調味料を「味の素」とは呼ばないようにしているのと同じことです。 万歩計という表現が出てきたのは、番組のテーマが1日に1万歩ではなく8000歩が健康によい、ということだった
歩くことは誰から習ったのだろうか
歩いただけで両親や祖父母に誉められた幼少のときを除くと、歩くことを誉められたのは、いつであった、なかなか思い出すことができない、という人は多いと思います。骨折や骨粗鬆症になって、このまま歩けなくなるかもしれないと覚悟した人がリハビリテーションに取り組んで、なんとか歩けるようになったときに介護士や家族から誉められることはあるかもしれませんが、こういう誉められ方は、あまり望ましいことではありません。
熱中症は水分不足だけが原因か
熱中症が心配される夏季には、それを防ぐために、室温が上がりすぎないように、暑い時間帯には外出しないように注意するとともに、水分の補給が強く言われます。暑い季節は、皮膚からの水分の蒸発が激しくなり、普通に水分を取っているつもりでも水分不足になりがちです。 体内の70%ほどは水分だと言われますが、それは若いときの話で、年齢を重ねると60%ほどに、高齢になると50%台にもなります。それだけ体内の水分が
「甘いものは食事の一環として食べる」は本当か
健康を扱ったバラエティー番組で、八丁味噌は血糖値の上昇を抑えるので、愛知県には糖尿病が少ないと紹介していました。愛知県民に糖尿病が少ないのは事実で、愛知県民といえば赤味噌の代表である岡崎の八丁味噌の消費量が多いので、これを結びつけるのはテレビ番組の手法としては当然のことといえます。 愛知県の食事といえば、八丁味噌を使った味噌カツにきしめん、エビフライに手羽先、ういろうと、なんとなく腹が膨れる料理
下手は何と読むのか
「上手」はじょうず、うわてというように別の読み方があるということを以前に紹介しましたが、他にも同じようなものはあるか、ということがサイトの問い合わせにありました。あまり健康とは関係のない話になりますが、この機会に上手とは逆の意味になる「下手」について書いていきます。 上手(じょうず)に対する下手は「へた」と読みます。これは、物事に巧みでないこと、まずいこと、不器用なこと、なまじっかなこと、いいか
細胞の糖化は糖尿病の薬で進むのか
糖化は糖質の摂りすぎによって細胞が老化していくことで、糖化すると細胞が褐色になっていくことから健康の面からだけでなく、美容の面でも注目されています。糖質の摂りすぎによって細胞の中にブドウ糖が多く蓄積されていくことが原因なので、糖質制限は効果があると考えている人も少なからずいます。それは正しいとしても、だからといって食事で糖質を摂らなければ健康になれるという主張には首を傾げる人も少なくありません。