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老化は病気の最大の原因か

医薬品を使わずに生活習慣病を治そうとするのは大変なことです。まだ、検査数値が基準値を超えていない段階なら食事と運動で元の状態に戻すことはできるとしても、基準値を超えた期間が長くなれば長くなるほど戻りにくくなります。初期段階で医薬品を使うと、食事の改善や運動をしなくても基準値を下回ることはできます。だからといって医薬品だけに頼っていると、年齢を重ねるにつれて医薬品の効果が出にくくなります。 という


未病は健康と病気の間なのか

未病をテーマにした健康寿命延伸のプロジェクトに関わっていることから、メディア関係者から「未病の定義は」という質問が寄せられることが増えています。何度も同じことを答えるのが面倒だ、ということではなく、広く知ってほしいとの思いから、文章化してみました。 日本未病システム学会は“健康と病気の間を科学する”というキャッチフレーズを掲げています。それを普通に分類すると〔健康〕〔未病〕〔病気〕ということにな


代謝のためのミネラルの役割

人の身体の約95%は炭素、水素、酸素、窒素などの元素が結合した有機物で、残りの約5%の元素の無機質がミネラルとなっています。体内に必要な16種類のミネラルは必須ミネラルと呼ばれます。ミネラルのうち体内に比較的多い7種類(カルシウム、リン、カリウム、イオウ、ナトリウム、塩素、マグネシウム)は多量(主要)ミネラル、少量しか含まれない9種類(鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン、マンガン、モリブデン、クロム、コ


エネルギー代謝に必要なビタミン

代謝に必要な成分の三大ヒトケミカルについては繰り返し紹介しています。三大ヒトケミカルはα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10を指していますが、「それ以外のヒトケミカルは何があるのか」という質問をメディア関係者からよくされます。代謝に関わる成分としてはビタミンとミネラルがありますが、ここではビタミンについて代謝の仕組みとともに紹介します。 食品として摂取したデンプンは、消化酵素によって単糖


「健康な患者」のための運動処方

生活習慣病に関わる検査数値が基準値を超えると、必ずといっていいほど医師などの医療関係者から指導されるのは、それぞれの数値に直接的に関係する栄養成分の制限です。糖尿病なら血糖値を上昇させるのはブドウ糖なので糖質制限、脂質異常症から脂肪酸の量を減らすために脂質制限ということが基本となるわけですが、これは「健康な患者」でいてもらい、できることなら基準値以下にして患者でもなくなるための重要な手段の一つです


老老介護どころか二世代介護の時代

還暦といえば以前は赤いちゃんちゃんこを着て、赤子に還るという意味で、現役から引退、残りの人生を自由に、自分のために生きるという記念すべき60歳の祝いでした。しかし、今では体力的にも精神的にも実年齢(暦年齢)よりも若くなり、「高齢者は65歳からではなく75歳以上に」と日本老年学会と日本老年医学会が提言しています。 それだけ体力がついて、長生きできるようになったのはよいことであっても、健康で、元気で


フルーツは高いのにドライフルーツは高くない

贈る側も貰う側も嬉しいギフト商品というとフルーツが代表的なものです。フルーツのよさは収穫時期が限られていて、その中でも特においしい時期が決まっています。環境が生育に影響するので地域色が強く、希少価値があり、何といっても価格的に高いということがあげられます。 なぜ高いのかというと、一番の食べ頃に収穫すると店頭で販売できる期間が短くなり、傷みやすく、水分が多いために重いことで送料がかかるうえに、産地


痛めると傷めるの違い

足腰に痛みが生じるような状態になることは“痛める”と表現されます。痛めるような状態では、早く治療すれば、痛めたところが傷になって、治りにくい状態になることはないはずです。ところが、治りにくい状態となって傷が残るような状態となって、いつまでも痛みが続くような状態となると、これは“傷める”と表現されます。 これは当たり前の文字の使い分けとしてされてきましたが、テレビ番組のテロップを見ると、「腰を痛め


健康寿命と平均寿命の差の意味

私どものセミナーに参加していた方がQ&Aの席で、「歩けなくなったことで、あと9年は生きられることがわかって安心しました」という驚きの言葉を発していました。こんな発言が出るのは、健康寿命を知っている人なら、なんとなく理解できるかもしれません。健康寿命は自立して自由に動ける期間のことで、平均寿命から健康寿命を除いた年月が自由に動けなくなった期間を示しています。 健康寿命の期間は自由に動ける時期で、そ


マイオカインが増えれば若返る

運動をすると筋肉が強化され、若返ることができると言われますが、その理由としてマイオカインの働きがあげられています。マイオカインは“若返りホルモン”とも呼ばれていますが、マイオカインは筋肉内で作られます。マイオカインが増えると筋肉が若返るだけでなく、脂肪の分解や骨の強化、血糖値の低下、免疫の上昇、抗炎症、認知症予防の効果もあるということで、住民に運動の機会を増やすことをすすめている自治体などではマイ