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運動と入浴のタイミングとL‐カルニチン

運動をすると筋肉の中にある脂肪分解酵素のリパーゼが活性化して、中性脂肪が分解されて脂肪酸となります。脂肪酸を燃焼させるには筋肉細胞のミトコンドリアに脂肪酸が取り込まれる必要があり、ここで活躍するのは脂肪酸と結びついてミトコンドリアの膜を通過するL‐カルニチンです。L‐カルニチンは運動をしているときだけでなく、運動を終えてからも体内で多く使われています。というのは、脂肪の分解は運動後の30分間も徐々


運動と食事のタイミングとR‐αリポ酸

夕食前の空腹時に運動をすると、血液中のブドウ糖が不足して、それを補うために筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンが分解されて血液中に放出されます。これを使って筋肉を動かしていくわけです。食事で摂った糖質に含まれているブドウ糖のうち余分となったものは肝臓で脂肪酸に合成され、その後に中性脂肪となって脂肪細胞の中に蓄積されていきます。 運動をして筋肉の中のグリコーゲンが減った状態で食事をすると、肝臓で合


運動の効果を高めるサプリメント摂取

前回まで、サプリメントとしての三大ヒトケミカルのことを紹介してきましたが、その間に何度かメディア関係者から質問が相次いでいました。その中で一番多かったのは、「シクロデキストリンで加工した三大ヒトケミカルなら誰にも効果があるのか」という内容でした。誰にでも効果があるものなら間違いなく効くはずですが、三大ヒトケミカルの研究を進める中で、効くものも効きにくいという例がみられるようになってきました。効きに


三大ヒトケミカルで代謝をコントロール

三大ヒトケミカルのR‐αリポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は、代謝促進成分ということで、体脂肪を減らすことばかりが注目されがちですが、健康のために体脂肪を増やさなければならない人もいます。また、代謝を高めることによって筋肉を増やすこともできます。 体脂肪を減らすためには、脂肪酸の代謝を促進するL‐カルニチンとTCAサイクルでエネルギー産生を促進するコエンザイムQ10が有効となります。運動


非天然型のS‐αリポ酸の危険性

α‐リポ酸のサプリメントの多くには、天然型のR‐αリポ酸と非天然型のS‐αリポ酸を組み合わせたものが使われています。体内で働くことができるのはR‐αリポ酸だけですが、胃液で分解されるので、S‐αリポ酸と組みわせたラセミ体にして分解されにくくするためです。そのために分解されにくくなり、吸収した分の半分しか使われないとしても、それだけのことなら否定するようなものではないはずです。しかし、S‐αリポ酸に


摂取タイミングとサプリメントの有効性

サプリメントは、いつ摂っても吸収に影響が出ないものがある一方で、摂るタイミングによっては吸収されないものまであります。それをサプリメント商品に表示してくれていたら、効果がないときに摂るという無駄なことをしなくて済むようになるはずです。しかし、そのような表示はされていません。これは法律(医薬品医療機器法)に基づく監視指導マニュアルによって、医薬品的な用法用量の表示が許可されていないからです。用法用量


サプリメントは本当は効かないのか

「サプリメントは役に立たない」と考える人は少なくありません。そういった考えになるのは、サプリメントに使われている成分に原因がある場合と、成分が優れていても量が少ない場合、量が多くても吸収力が低くて実感できない場合などがあげられます。今さら“大したことがない素材”の話をしても仕方がないので、優れた成分の話をしますが、その例として取り上げるのはα‐リポ酸です。α‐リポ酸は2004年に医薬品成分から食品


サプリメントは補うだけの役割か

サプリメント(supplement)は補助、補完、補充、補足といった意味があり、どれにも補の文字が使われていることからわかるように、不足しているものを補うものを指しています。日本語では栄養補助食品と訳されることが多くなっています。栄養補助ということから、通常の食品では不足する栄養素を補うことができればよいと考えられることが多く、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)に掲載されている必


トマトの動脈硬化予防効果の決め手成分

トマトといえば抗酸化成分のリコピンが有名で、赤い色素成分であることから、色が濃いトマトほど活性酸素を消去する働きが強いことが知られています。紫外線を浴びると活性酸素が発生するのは人間も植物も同じです。人間なら紫外線を避けて動くことはできるものの、植物は動くことができません。植物は紫外線を浴びることによって光合成が起こるので、日光を浴びるのは成長のためには必要ですが、そのために発生した活性酸素によっ


早食いは太るのかやせるのか

脳の満腹中枢は血糖値が上昇することによって反応して、これ以上は食べられないという反応が起こります。食欲にブレーキをかけるのは血糖値の上昇です。血糖値が上昇すると無条件に満腹中枢が働いてくれればよいのですが、満腹中枢が反応するためには15分くらいの時間がかかります。血糖値を上昇させるブドウ糖を短時間に多く摂ったとしても、時間が短縮されることはありません。 ということは、短時間に一気のブドウ糖摂取を