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運動をするときにヒトケミカルが必要な理由

全身に60兆個以上とされる細胞の中には、エネルギーを産生する小器官のミトコンドリアがあります。1個の細胞に100〜3000個のミトコンドリアがあり、その全量は体重の10%を占めています。特にミトコンドリアが多く存在しているのは、多くのエネルギーを作り出している筋肉細胞です。 ミトコンドリアの中でブドウ糖や脂肪酸をエネルギーとするためには三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ


L‐カルニチンの機能性評価が低い

三大ヒトケミカルの一つのL‐カルニチンは水溶性であるので、いつ摂っても吸収されます。吸収率は15%ほどと、低いわけではありません。L‐カルニチンは筋肉に多く蓄積されている成分で、細胞のミトコンドリアに脂肪酸を取り込む作用があり、燃焼を促進する働きがあります。15%の吸収率というのは、肉類などたんぱく質が含まれた食品と一緒に摂った場合の数字です。たんぱく質がないと吸収率は低下します。 三大ヒトケミ


三大ヒトケミカルの吸収率

栄養素の吸収率は重要な問題です。ミネラルのカルシウムの吸収率は約30%です。鉄は動物性食品に含まれるヘム鉄は15〜25%の吸収率があるものの、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は1〜5%となっています。「食品に含まれるミネラルが多ければ、それだけ多く吸収される」という考えは間違っている、という記事を週刊誌に載せた編集者から、サプリメントの吸収率についての問い合わせがありました。 カルシウムはビタミンD


三大ヒトケミカルはサプリメントで摂るしかないのか

三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は、エネルギー代謝に必要な成分であるのに通常の食品を食べても補えない、ということを先に触れました。それはなぜかという話の前に、三大ヒトケミカルの機能について繰り返しになりますが、紹介させてもらいます。 α‐リポ酸は、ブドウ糖をエネルギー燃焼に適した形のアセチルCoAに変換させるとともに、エネルギーを作り出す細胞のミトコンドリア内のT


ヒトケミカルは健康食品なのか

三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10について再三触れていることから、メディアからの質問も増えています。以前は「ヒトケミカル」とインターネットで検索をすると「フィトケミカル」ではないか、とか、自動的にフィトケミカルで検索した結果が表示されましたが、言い続けているうちにヒトケミカルは立派な(?)検索ワードとなっています。 三大ヒトケミカルは、どれも体内で合成されているもの


65歳前の健康づくりで医療費は抑制できるか

「高齢化社会ではなく超高齢化社会」というテーマは週刊誌のネタになりやすく、この手の情報の依頼はよくあります。取材に対して「超がついても高齢化と言っているが、すでに“高齢社会”」ということを話しています。 今は人口の4人に1人が65歳以上の高齢者となっています。今の高齢者は昔に比べると10年は若くなっていることもあり、国は高齢者を65歳から70歳に引き上げることを検討しています。今のままでは205


ハーブもアミノ酸も医薬品だった

現在はハーブといえばリラックスなどの精神的な効果が言われますが、気分的なものではなく、以前は医薬品として使われていました。それは食品として1998年(平成10年)に厚生省(現在の厚生労働省)販売が許可されました。また、2001年(平成13年)には厚生労働省によってアミノ酸23種類が医薬品から食品として販売許可されました。2001年は厚生省と労働省が合併となって厚生労働省が誕生しましたが、この年には


ビタミンもミネラルも医薬品だった

ビタミンやミネラルなどのプリメントは食品であって、医薬品ではありません。今でこそ、それは常識となっていますが、以前はビタミンもミネラルも医薬品でした。医薬品ということは、薬局以外で販売することはできませんでした。こんな話を若いメディア関係者にすると驚きの表情で耳を傾けられますが、そんなに昔の話ではありません。ビタミンが当時の厚生省(現在は厚生労働省)から食品に分類されて、販売が許可されたのは199


肘を曲げたら長く歩けない

新聞社からウォーキングのイラストを確認してもらえないかという話がありました。興味があることなので引き受けましたが、案の定の中身でした。案の定というのは、歩いている人が前側の腕の肘を曲げていて、反対側の腕は下方向に伸ばしていました。両方の腕を曲げているのに比べたら、まだよいものの、肘を曲げたら歩幅が狭くなり、長くは歩けなくなります。 腕の振りは振り子と同じで、支点からの長さがあるほど振りは大きくな


硬いパンは太りにくいのか

ダイエット番組で聞き逃せない話を医師がコメントしていました。「パンは小麦粉で作られているが、硬いパンなら血糖値が上昇しにくく、太りにくい」という内容ですが、硬い、軟らかいということよりも、エネルギー量に注目してほしい、ということを週刊誌の記者に話をしました。 粉と粒を比べると、粉になったものは消化されやすい形になっているので、そもそも分解・吸収されやすくなっています。硬く焼いたから分解されにくい