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臨床栄養がサプリメントをすすめる理由

「健康食品は臨床栄養の敵だ!」と言われた時代があります。「医療の敵」「病院の敵」と言い換えられることもありましたが、要は、健康食品は治療の妨げになるもので、それを放置しておくのかという考えが医療関係者にありました。健康食品の効能効果を信じた人が、病院に行くのが遅くなったり、医薬品を使うタイミングが遅れることを懸念して、健康食品の効能効果の表現には厳しい制限がかけられています。 健康食品は食品に分


健康資本主義のすすめ

里山資本主義は、水と食料、燃料を地元でまかなう安心安全のネットワークづくりを指しています。その象徴として里山が掲げられているわけですが、これに加えたいキーワードとして“健康”を提唱しています。地元の資産を活用して、まずは何があっても、例えば感染症対策として自治体の住民を守るために周囲と遮断されるようなことがあっても、生きていくために必要な生活資源を確保することは当然に必要なことです。 生き抜くた


発達栄養学104 エネルギー代謝の仕組みを知っておこう

重要なエネルギー源であるブドウ糖と脂肪酸を材料にしてエネルギー産生させるのは細胞の中にあるミトコンドリアです。ミトコンドリアは細胞内の小器官で、一つの細胞に100〜3000個ほど存在していて、その重量は体重の10%ほどにもなります。特に多く存在しているのは筋繊維(筋肉細胞)、肝細胞などです。それほどミトコンドリアは重要な器官であり、多くのエネルギーを作り出すことが必要になります。主としてミトコンド


健康寿命延伸のための提言31 提言のエビデンス3食事9

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第9回)を紹介します。 日本人を対象としたコホート研究では、飽和脂肪酸


記念日5月4日〜10日

広く健康に関わる記念日について紹介します。 5月4日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し豊かな心を育む日として国民の休日の「みどりの日」。いいの製薬が、こう(5)しゅう(4)の語呂合わせで「口臭ケアの日」と制定。朝日共販が全国のしらす漁が解禁になる5月と、しらすのしを4に見立てて「しらすの日」と制定。あじかんが立夏の前日の節分に巻寿司を丸かぶりすると幸運が訪れるとされることから「巻寿司の日」と


“走るボディビルダー”の支え

筋肉強化のプロというとフィットネスジムなどのトレーナーがあげられますが、その究極ともいえるのがボディビルダーです。筋肉を強化する運動に励んでいる人は、身体が重くなりすぎることから走るのは苦手だと思われがちです。しかし、トップランクのボディビルダーを目指す人はランニングを欠かすことができません。激しい筋肉トレーニングのあとにランニングをしないと、健康的に筋肉を増やすことができなくなります。 その理


学習障害103 書字障害への接し方1書きやすくする工夫

学習障害の書字障害は、書けないという前に読めない識字障害が影響していることがあります。まずは識字障害の有無と程度についての確認が必要です。書字障害の改善というと、文字を書き写すことから始めるのが一般的ですが、その前に書くための道具、つまり筆記用具の鉛筆などとの相性を確かめておく必要があります。脳が命じたとおりに指が動かないために書きにくいということもありますが、鉛筆が指先で握りにくいように感じてい


管理栄養士だけが栄養指導できる制度のプラスとマイナス

栄養指導は、何も栄養士でなくても実施することはできます。栄養学を学んだ栄養士でないと信頼性に欠けるということはあっても、栄養士でない人が栄養指導をしたからといって罰せられることもなければ、不利益が発生するわけではありません。しかし、病院となると、専門職でない人が栄養指導をしても保険点数がつけられず、利益が得られません。病院における専門職は管理栄養士を指しています。 栄養士と管理栄養士の違いですが


地域の課題を180度転換して強みに変える

岡山県の最北東端にある西粟倉村は、兵庫県と鳥取県と県境を接している人口1400人あまりの山村で、95%が山林となっています。「百年の森林に囲まれた快適で人が輝く自然と交流の村」をキャッチフレーズにしていますが、これは掛け声だけではありません。 西粟倉村といえば、木しかないと言われてきましたが、今では木を活かした他の地域ではできないことを打ち出したことから移住者も増え、起業する人も増えています。今


発達栄養学103 三大エネルギー源の役割について知っておこう

三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質のうち主にエネルギーを作り出す材料となっているのは、糖質と脂質です。糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、素早く分解・吸収されて、すぐにエネルギー化されます。三大エネルギー源は、全身の細胞の中でエネルギー源となるものの、脳細胞のエネルギー源となるのは糖質に含まれるブドウ糖だけです。ブドウ糖は自然界に存在している代表的な単糖で、他の単糖と結合しています。ブ