最新情報

発達支援推進37 食事面での“困った”子どもは“困っている”子ども

発達障害児の生活面での困難さは複数あり、その中でも栄養摂取は困難さを解決するための重要なテーマの一つとなっています。発達障害は神経伝達物質のセロトニンが不足していることから自律神経の副交感神経の働きが弱く、交感神経が強く働くようになることから興奮状態になりやすく、心身の疲労も強くなります。 これを解決するためには、セロトニンの材料となる必須アミノ酸や、体内のエネルギーを作り出すために必要な多


サプリ概論245 健康食品の規制の改定6

景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)と健康増進法による健康食品の虚偽誇大表示についての規制は、「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法の上の留意事項について」に掲載されています。この留意事項の改訂版が消費者庁から公表されたことから(令和4年12月5日)、その改定された部分について、景品表示法上の不実証広告規制の表示について解説をしています。 〔表示された効果と提出資料によって実証され


2023/3/8 「情けは人のためならず」の実際のところ

「情けは人のためならず」は、「人に情けをかけておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」というのが正しい意味なのですが、間違った意味で捉えている人も少なくありません。少なくないというよりも、「人に情けをかけて助けてやることは、結局はその人のためにならない」という意味だと思っている人が多くなってきています。 文化庁の「国語に関する世論調査」では、正しい使い方と誤った使い方がほぼ同数という結果に


2023/3/8 他人に見えないものが見える

「他人に見えないものが見える」といっても怖い話ではありません。 私たちが支援する発達障害児の中には視覚情報処理の異常によって、文字がゆがむ、文字がにじむ、文字が動いて見える、左右が逆転して見える、ということがあり、本人の困難さを周囲の人がわかってくれないということもあります。 しかし、今回のテーマの「他人に見えないものが見える」は、それとは違って、閃輝暗点(せんきあんてん)のことです。


健康食品 敵か味方か9 予防効果を表示する会社の信用度

健康食品やサプリメントは、医薬品的な効能効果を表示して販売することは禁じられています。この表示というのは広告やチラシだけでなく、口コミで伝えることも含まれています。この規制は、医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に従ったものです。 これは2014年の法律改正によって名称変更になったもので、以前は薬事法でした(略称ではなくて正式名称)。3文字から急


Medical Diet166 脂肪酸合成酵素とカルシウム

肝臓では糖質、脂質、たんぱく質を材料にして脂肪酸が合成されています。脂肪酸が3個つながると中性脂肪になり、これが脂肪細胞の中に取り込まれると蓄積タイプの体脂肪となります。 肝臓で脂肪酸が合成されるときには、脂肪酸合成酵素が働きます。脂肪酸合成酵素は肝臓の中に蓄積されているだけでなく、脂肪細胞からも放出されて肝臓に送られます。脂肪細胞による脂肪酸合成酵素を増やしているのは、想像しにくいかもしれ


健康食品の法規制9 身体の機能への影響は禁止事項

医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の第2条の定義では、医薬品とは何かということが示されています。医薬品でないものは、医薬品と同様の表示をすることが禁止されています。 前回に続いて、定義の3番目を見ていくと、「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの」と書かれています。 人間に使うも


健康あない人39 健康のために“足るを知る”

「無理なく無駄なく」は私たちの健康づくりの活動のモットーとして掲げていることです。“健康”という言葉では、それほど無理をして活動する必要はないという人もいるのですが、私たちが研究している“メディカルダイエット”では無理をしてもやせたい、やせるためには無理をしなければならないと考える人と巡り合うことも多くなっています。 メディカルダイエットは、一般に思われているようなダイエットとは違って、ただ


健康食品 敵か味方か8 日米の消費者保護の考えの違い

日本の健康食品は、法規制から、どんな人が、どの成分を、どれだけ摂ればよいか、いつ摂ればよいかを表示することはできません。この知りたいことを知ることができるのは医薬品だけで、消費者保護の一環とされています。 これに対してアメリカで健康食品に該当するのはダイエタリー・サプリメント(Dietary Supplement)は、どのような人が使うものなのかが明らかにされています。アメリカにはDSHEA


DNA Answer32 妊娠前の栄養状態の影響

食品は同じ種類なら同じだけの栄養素が含まれているわけではありません。そのため、同じ量を食べれば、同じだけ栄養摂取ができるとは言えないのです。同じ種類の野菜であっても、種や苗が違えば、生育環境が違えば、そして季節が違えば、同じ内容とはならないのです。 また、発達障害では神経伝達を進めるために多くのエネルギーが必要ですが、同じ種類のエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を摂取して、それをエネルギ