最新情報

発達栄養学24 咀嚼と栄養摂取の関係

咀嚼(そしゃく)は歯を使って噛んで食べることを一般には指しています。これが定義だとすると普通に食べていれば咀嚼をしたことになりそうですが、実際には咀嚼は、よく噛んで胃で消化されやすい状態にしてから飲み込むこととなっています。あまり噛まないまま飲み込むことは、咀嚼ではないということです。 3歳児は、しっかりと噛んで食べることを教えなくても10〜12回は噛んで、それから飲み込んでいます。幼児が食べる


案外と知られていない腸の役割と機能

腸の形や大きさはイメージしやすくても、機能については“栄養の吸収”ということはわかっていても、具体的なことはイメージできていないという人は少なくありません。腸の機能を理解するために、腸を植物の根にたとえて説明することにします。 植物は土から栄養成分と水分を吸収して成長していますが、その役割は根が担っています。根から吸い上げられた栄養成分と水分は茎を通って全体に運ばれ、花や実をつけるまで栄養成分が


学習障害23 小学3年生で覚える漢字

小学生になってから学ぶ漢字は、学年が上がっていくにつれて増えていきます。増えるといっても急に数が多くなるのではなくて、1年生が80字、2年生が160字だったのと比べて、3年生と4年生では200字ずつ、5年生では185字、6年生では181字と、それほど数が増えるわけではなりません。画数が増えて、いわゆる難しい漢字が増えていきます。中には中学生になっても正確に書くことができない漢字も出てくるようになり


腸は第2の脳でもあり肝臓でもある

「第2の◯◯」と呼ばれている器官や臓器は複数ありますが、その中でも腸が最も多く数え上げられています。「胃は消化、腸は吸収」と一般に機能分けして言われていますが、実際には腸の中でも消化は行われています。そこで腸は「第2の胃」とも呼ばれています。 腸の中に棲みついている腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大きく分けて考えられています。そのうちの悪玉菌は、腸内で腐敗を進めて有害物質(毒素)を作り出して


記念日11月24日〜30日

広く健康に関わる記念日について紹介します。 11月24日 和食文化国民会議が、いい(11)に(2)ほんしょ(4)くの語呂合わせで「和食の日」と制定。クラシエ製薬が寒い季節は尿トラブルが増えることから啓発や治療を呼びかける目的で、いい(11)24(にょう)の語呂合わせで「いい尿の日」と制定。ヤマキが鰹節の使い方、上手なだしの取り方を多くの人に知ってもらうことを目的として、いい(11)ふし(24)の


発達栄養学23 食事に関係する五感以外の感覚過敏

発達障害の特性として現れやすい感覚過敏は五感(味覚、触覚、視覚、聴覚、嗅覚)に関するものが多くみられますが、五感とは関係がない感覚過敏もみられます。直接的には関係がないとしても、そのきっかけには五感を強く刺激され、それが記憶に残っていて、感覚過敏として現れるということも少なくありません。 五感以外の食事に関連する感覚過敏としては、以下のことがあげられます。 ・ストローを使う牛乳パックが嫌い


フルーツと腸内環境の深い関係2

腸内細菌の総数については100兆個から1000兆個まで諸説はあるものの、実際の腸内細菌の数は、どうであっても、腸内細菌の総数はほぼ決まっていて、善玉菌が増えると悪玉菌が減り、悪玉菌が増えると善玉菌が減っていきます。善玉菌は腸内を酸性傾向にしますが、悪玉菌は酸性の環境に弱く、アルカリ性の環境に強いので減っていくようになります。逆に、悪玉菌が増えてアルカリ性に傾くと、酸性傾向で増えやすい善玉菌は減って


学習障害22 ひらがなの特有の法則を理解するのは難しい

ひらがなは単純なように見えても、用法の異なり、拗音、長音、促音、撥音といった複雑な使い方があり、前回に紹介したように論理的に法則を整理して見ると、非常に難しいことを小学1年生で覚えることになっています。それも50音を習ったすぐあとに短期間のうちに学ぶため、少しのつまずきでも先に進めなくなってしまうことがあります。 子どもの発達のスピードには差があり、1年生の1学期という学習環境に慣れないうちに法


フルーツと腸内環境の深い関係1

日本人は腸内環境がよい国民とされてきましたが、近年では疑問が抱かれるようになってきています。日本人の便通の回数は平均すると週に7回で、ほぼ毎日便通があるのが平均となっています。それに対してアメリカ人は週に5回が平均で、1週間に2日は便通がなくても当たり前の状態となっています。便通が悪いと腸内細菌の悪玉菌が作り出した毒素(有害物質)が大腸壁を刺激していくことになります。そのためにアメリカ人には大腸が


発達栄養学22 食事に関係する感覚過敏の特性2

発達障害の特性である感覚過敏は、栄養摂取の面でも大きく影響を与えます。味覚過敏と並んで極端な偏食など食事に影響を与える触覚過敏、視覚過敏、聴覚過敏、嗅覚過敏の特性について紹介します。 *触覚過敏 ・温かい食べ物を火傷しそうに熱く感じる ・冷たい牛乳が飲めず、温めた牛乳なら飲める ・茹でた野菜が固くて痛い ・三つ葉の茎が喉に刺さる ・きのこの食感がプラスチックに感じる ・氷が歯に当たる