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発達栄養学19 代謝促進成分の補給法

エネルギー産生の役割をするミトコンドリアは筋肉細胞の中には特に多く存在しています。運動をすると、筋肉細胞のミトコンドリアで多くの代謝促進成分が使われます。そのために他の細胞で使われる代謝促進成分が減ることになり、その細胞の代謝が低下することになります。 ミトコンドリアの中では代謝の結果としてエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が産生されるわけですが、このATPが細胞を働かせるエネルギーと


抗酸化成分の種類と働き2

アントシアニン 紫色の抗酸化作用がある色素で、ブルーベリー、ビルベリー、アサイーベリー、ブドウなどに豊富に含まれています。アントシアニンは目の毛細血管、水晶体、網膜に届きやすく、眼精疲労などの軽減作用が認められています。また、強い抗酸化作用によって、目の老化抑制、目の血流の促進のほか、網膜の色素体である脳への信号物質であるロドプシンの再合成を促進して、視力を高める効果があります。その結果、酸化ス


学習障害18 書き写しは脳の多彩な機能を使う高等作業

読み書きが苦手な学習障害児の多くは、文字を書き写すことが苦手です。書き写す漢字が示されたら、その漢字を読んで、次に漢字を記憶して、書き順に従って漢字を筆記していきます。見たものを、そのままアレンジなしで書き写す、いわゆる丸写しですが、一般には簡単がことと認識されています。しかし、実際には見たものの形を覚えて書き写すという記号の複写のような作業をしているわけではありません。 目で見た漢字を、声を出


抗酸化成分の種類と働き1

アスタキサンチン エビやカニなどの甲殻類や鮭、イクラ、鯛などの魚介類や藻の赤色の素となる色素物質です。これらの魚介類はオキアミなどの動物プランクトンをエサにしていますが、動物プランクトンは淡水性単細胞緑藻のヘマトコッカスを食べています。動物はアスタキサンチンを体内で作り出すことができず、植物性のヘマトコッカスの色素を受け継いでいます。鮭は白身魚で、サーモンピンクはアスタキサンチンを溜め込んだ結果


発達栄養学18 代謝促進成分によるエネルギー産生の仕組み

代謝促進成分のα‐リポ酸は、ブドウ糖をエネルギー燃焼に適した形のアセチルCoAに変換させるとともに、エネルギーを作り出す細胞のミトコンドリア内のTCA回路内での補酵素として働き、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)の産生に不可欠な成分となっています。 L‐カルニチンは、脂肪酸と結びついてミトコンドリアの膜を通過する働きがあり、脂肪酸はミトコンドリア内でエネルギーを作り出すのに必要なアセチ


細胞を活性酸素による破壊から守る抗酸化成分

活性酸素には欠けたマイナス電子を取りやすいものから順番に奪って補っていくという性質があります。身体の細胞よりもマイナス電子が奪われやすいものが近くにあれば、そこから先にマイナス電子を奪っていくために、体内の細胞は活性酸素からマイナス電子を奪われないようになり、破壊から守られることになります。活性酸素にマイナス電子を奪われやすいのが抗酸化成分と呼ばれるもので、その代表的なものが植物などに含まれている


学習障害17 音読は2拍で切って慣れていく

発達障害の一つの学習障害の識字障害というと、文字を読むことができず、そのために文字を書くことができない書字障害につながりやすいと考えられています。読み書きが上手にできないと学習障害と判断されることもありますが、実際には識字障害ではなく、音読に慣れていないために、書き言葉の文体にスムーズに変換することができないということがあります。 単語を耳で聞いて、それを文字にすることは、それほど難しいことでは


ビタミンは抗酸化のACE

SODの働きを高めたり、SOD様酵素が含まれたものを摂ることのほかにも活性酸素を消し去る方法があります。その方法の一つは、欠けたマイナス電子を与える作用があるビタミンを摂ることです。ビタミンが活性酸素に欠けているマイナス電子を与えて元の状態に戻すことで、活性酸素は害のない正常な酸素に戻っていきます。 活性酸素によってマイナス電子が奪われた細胞に対しても、マイナス電子を与えることで電子のバランスを


発達栄養学17 医薬品成分から食品成分になった代謝促進成分

細胞内のミトコンドリアの中では糖質や脂質をエネルギーとして代謝させるためのエネルギー産生が行われています。代謝に必要となる栄養素であるビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が知られていますが、この他に代謝促進成分のα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が必要となります。この代謝促進成分は、どれも体内で合成されているものの20歳代をピークに減少していく成分で


SOD酵素を活性化させるミネラルの働き

抗酸化酵素のSOD、グルタチオンペルオキシターゼ、カタラーゼは、タンパク質のほかに亜鉛、マグネシウム、銅、マンガン、セレン、鉄といったミネラルから構成されています。これらのミネラルは酵素を働かせる補酵素としての役割をしています。その働きが低下している場合には、これらのミネラルが含まれている食品を補給することで、ある程度は高めることはできます。 しかし、現在のように活性酸素が多量に発生する環境では