最新情報

健康寿命延伸のための提言30 提言のエビデンス3食事8

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第8回)を紹介します。 脂質を構成する脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪


三世代で楽しむ生涯スポーツのすすめ

三世代というと親、子、孫を一般には指していますが、これは親の側からの目線であって、三世代目からの目線では自分、親、祖父母となります。日本人の平均寿命(令和元年)は男性が81.41歳、女性が87.45歳ですが、平均寿命が50歳を超えたのは昭和22年のことで、60歳を超えたのは昭和30年でした。そのときから比べると1世代分も長生きできるようになったので、それだけ次世代に伝えることができる期間が長くなり


学習障害102 識字障害への接し方2読めるようにする工夫

学習障害の識字障害の改善には、まずは集中して読めるようになるための工夫が必要です。識字障害の子どもは、目から飛び込んでくる情報が多すぎるために、読むべき文章に集中できないことがあり、読むべき文章を示すために他の文章(上下・左右)を見えなくするという方法があります。 これで読むべき文章がわかったとしても、文章の区切りがわからないと、ひと固まりとして覚える範囲がわからなくなり、これが集中を妨げること


常に間違いからスタートしていると考えて進む栄養学

生活習慣病対策の栄養学は、臨床栄養研究が進んだ結果、ほぼメカニズムは解明されていて、どのような対応をすれば予防・改善ができるかも明らかにされています。糖尿病でいえば、血液中のブドウ糖の量を示す血糖値が高いということはブドウ糖が含まれる糖質の摂りすぎが原因となることから、糖質を減らすことが食事療法の基本とされています。ところが、終戦直後は一時期かもしれませんが、逆のことが食事療法として指示されていた


次世代のために自分を研究材料として活かす

「大人の責務は次世代の模範になること」という考え方があります。これから心身ともに健やかに育ってほしい子どもたちに、みっともない大人の姿を見せたくないという戒めのような考えから発せられることもありますが、実際に模範となるために行動をしている人たちがいます。宗教的な立場や倫理観による行動などもあげられるのですが、これを高齢者の責務として取り組みとしている人たちのことを指しています。 その取り組みのき


発達栄養学102 エネルギー代謝は燃えているわけではない

人間が生命を維持するためには、体内でエネルギーを作り出すことが必要です。そのエネルギーを作り出しているのは、全身に60兆以上もある、それぞれの細胞です。細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使われません。電気のように流れていって、他の細胞で使うということはできない、いわば“地産地消”のような形となっています。 細胞の中ではエネルギーを使って、それぞれの細胞に必要な化学反応が起こっ


健康寿命延伸のための提言29 提言のエビデンス3食事7

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第7回)を紹介します。 甘味飲料というと糖尿病との関連性が指摘されてい


学習障害101 識字障害への接し方1見やすくする工夫

文字を的確に読むことができないという識字障害は、まったく読めないという例は少なく、読むために必要なサポートをして、把握して理解して言葉に出すという一連の流れの反応するまでに時間がかかることが多いことから、時間をかけて待つということができるかどうかにも、改善の成否はかかっています。 教科書の文字は字体も大きさも決められています。見づらい字体(フォント)であるときには、見やすい字体に変える、大きくす


なぜメディカルダイエットが発達障害対応に取り組むのか

日本メディカルダイエット支援機構は、メディカルダイエットを推進するために関連する活動をしている団体を支援することを目的として活動している特定非営利活動法人(NPO法人)です。自分たちがメディカルダイエットの活動をするのではなくて、あくまで支援です。その活動範囲に発達障害児の支援を掲げていますが、「なぜメディカルダイエットが発達障害に踏み込むのか」と質問されることがあります。これはメディカルダイエッ


発達栄養学101 発達栄養学の基本はエネルギー代謝

栄養学は、食品や栄養素が体内に与える影響について研究する学問で、それに基づいて身体の成長と健康の保持に必要な栄養素を摂取することを目的としています。私たちが研究している発達栄養学は、成長段階の子どもの心身の発育に影響を与える栄養学を取り上げていますが、一生涯の栄養摂取の中で子どもの期間を切り取って、そこに集中しているだけではありません。子どもというと年齢的には乳幼児期から18歳までを指していますが