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発達栄養学106 食品数が減るほど栄養が欠乏しやすい

発達障害の中で、自閉症スペクトラム障害の子どもは、極端な偏食などの食行動異常がみられる場合が多く、それによって栄養学的問題をきたしやすいことが知られています。その反応としては、今までに食べたことがない新奇の食べ物を食べたがらない、特別な歯ごたえ、食べごたえ、特定の食品カテゴリー、食品の色、外見、味、臭い、製造元、パッケージ、温度などにこだわるなどの特徴があげられます。 人間の身体は多種多様な食品


健康寿命延伸のための提言33 提言のエビデンス3食事11

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第11回)を紹介します。 日本食(和食)と呼ばれる日本人の食事は、一つ


医療費削減のための一歩の価値

国民がウォーキングによって健康になれば、医療費が抑制できるという発想から、厚生労働省の研究班が、生活習慣病予防も目的にして“一歩の価値”を試算しています。 この研究の基礎調査に協力したのは製薬会社の社員1000人で、事前に健康状態を調べたうえで、1年間のウォーキングの実施によって、歩数による健康状態の改善、個々の医療費の変化が調べられました。ここで得られた調査データから、生活習慣病にかかる割合と


学習障害105 算数障害への接し方1計算しやすくする工夫

算数障害というと、いまだに計算ができない、数の概念がわからないという生活に支障をきたすような障害だと勘違いされることがあります。算数障害が含まれる学習障害、その学習障害が含まれる発達障害は知的な能力の低下がないことが基本となっています。計算をするために必要な知的能力はあるものの、その認知に時間がかかり、通常の思考時間、解答時間とされる範囲に当てはまらない場合がほとんどです。 計算をするときに1桁


医薬品と健康食品の飲み合わせによる相互作用

医薬品には副作用があることが知られています。医薬品単体の副作用はそれほど強いものではなくても、複数の医薬品を重ねて使用すると副作用が強く現れることがあります。同じ医療機関で処方されるときには、そのことを知っているので、一緒に使うことで強い副作用が出ない組み合わせにするのが当たり前のことです。異なる医療機関で複数の処方をしてもらった場合には、強い副作用が出る組み合わせになる危険性もあります。これを避


健康づくりの資金をウォーキングで捻出する

超高齢化が急激に進む中、自治体では増え続ける医療費をまかなうだけの収益が求められてきました。そのために地場産業を押し上げ、それを購入してくれる人を増やすことを目指して、まずは自治体がある地域を知ってもらい、来て体験してもらい、気に入ってもらえたら観光に訪れ、さらには移住して新たな働き手にもなってもらいたいと、広告代理店や旅行会社に随分とお金を使ったという例も多く見聞きしました。 外から入るお金を


発達栄養学105 脳の唯一のブドウ糖は不足させられない

飲食によって摂取したブドウ糖のうちエネルギー代謝に用いられなかったものの大半は、肝臓でグリコーゲンに合成されて、筋肉と肝臓に貯蔵されます。血液中のブドウ糖が減ってきたときには、グリコーゲンが分解されてブドウ糖になり、全身の細胞で使われるようになります。ブドウ糖は全身の重要なエネルギー源であり、不足させることができないからです。グリコーゲンから分解されたブドウ糖があれば健康面では特に影響がないように


健康寿命延伸のための提言32 提言のエビデンス3食事10

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第10回)を紹介します。 乳製品について、メタ解析では、1日あたり牛乳


学習障害104 書字障害への接し方2書けるようにする工夫

文字を書くことができるのに、鉛筆の芯(ペン先)が思うように動かせなくて書きにくく、そのために書くのに時間がかかり、制限時間内に書けないということもあります。文字は紙とペン先の摩擦によって書かれています。ツルツルした紙だとペン先が滑って書きにくいのは当たり前に起こることです。鉛筆の握りと動かし方がスムーズにいかない段階では、摩擦が強まるように抵抗感がある紙を使い、下敷きも滑りにくくて、ペン先が強く当


健康な患者と要介護者を増やすウォーキング

ウォーキングによる健康づくりについて厚生労働省で会合が行われたときのこと、冒頭に言われて今でも印象に残っているのは「健康な患者」「健康な要介護者」という言葉でした。会合の主催は健康局で、全国の健康の総元締めのようなもので、健康の定義にも関わっているところです。 健康という言葉は、病気の対義語として使われることがあり、病気になって治療を受けている人が患者です。また、高齢になって病気だけでなく身体機